琉球石灰岩からなる丘の頂上の、海抜322フィート(約98メートル)の高さにある勝連城。2方向に太平洋を望む場所のおかげで「海グスク」としても知られる中山時代の城です。それでは、私と一緒にその廃墟と化した門の数々をくぐって歩き、琉球の歴史の重要な一部に浸ってください。

この城はもともとは13世紀に建築されましたが、15世紀の半ばになって初めて全盛期を迎えました。ちょうど強大な按司である阿麻和利公がここに居を構えた時期です。彼は小作農の家系に生まれた野心的な領主で、武力で権力を得ましたがその後王の娘と結婚し、さらにその地位を確固たるものとしたのです。彼は尚泰久王の大きな懸念の種となり、王は護佐丸公に勝連と王都の首里の間に中城(なかぐすく)城を建てるように求めるほどでした。阿麻和利は護佐丸が王の転覆を企んでいると糾弾し、軍を率いて攻撃のため中城へ向かいました。これが、護佐丸の自害へとつながっていったのです。確固たる証拠はありませんが、阿麻和利が護佐丸の首を切り、その首を貢物として王に献上した後で、阿麻和利の謀反(王位を欲しがったのは彼ですから)が発覚した、と考えられています。護佐丸の口の中に阿麻和利が企てた反逆の詳細が記された覚書が入っていた、とも。阿麻和利は勝連で王の軍に破れ処刑されました。斬首と覚書の話は空想の付け足しの話かもしれませんが、阿麻和利が野心的な領主だったことは確かです。

興味深い歴史はさておき、現代の勝連は訪れても楽しい場所です。上へ続く曲がりくねった通路は急ですが、登れないほどではありません。少なくとも城の一部の比較的低いところは、坂道になっているおかげで車椅子やベビーカーで行くことができます。通行の便として階段も複数あります。広々とした駐車場、飲み物の自動販売機、お手洗い、お土産店、そして日本語、中国語、韓国語そして英語の情報が得られる案内所があります。入場無料で、リードにつないでトイレの始末をきちんとすれば、犬を連れて行くこともできます。

頂上からの眺めはとても美しく、完全なパノラマ眺望とはいきませんが、2方向から太平洋を見ることができます。それに眼下に田園風景が広がっていますので、素晴らしい写真撮影スポットです。勝連は中城や今帰仁(なきじん)よりは小規模ですが、それでも時間をかけて訪れる価値のある、建築的に素晴らしい場所です。かつて住んでいた王族と同じ道を辿り、彼らがかつて見ていた(少し変わってしまいましたが)景色を眺め、新鮮な沖縄の空気を吸って午後を過ごしてみるのも、悪くないのでは?勝連城の場所はこちら:

勝連城