お土産屋さんもなければ、ファミリーマートもない。車も通らないし、大気汚染やバスいっぱいの観光客など無縁。阿嘉島には、自分と、その海の素晴らしいターコイズブルーを表すために名付けられた「慶良間ブルー」以外は何もない…。いや、ちょっと待ってください。水中で海藻にかじりつくウミガメや、夜明けや夕方に庭にひょっこり現れるケラマジカを忘れるところでした。阿嘉島は、彼らのものでもあるのです。
阿嘉島は、本島から離れていることと面積が狭いことがその最大の魅力。島民は約300人、とても静かで平和な島、時間がゆったりと流れます。那覇からは高速フェリーで約1時間、観光客にもっと人気があってもよさそうな魅力的な島ですが、お隣の少し大きな島、座間味の方が観光客には人気です。個人的には、わがままかもしれませんがこのまま静かであってほしいと願ってやみません。阿嘉島で2泊過ごした後、島を離れる際にはとても後ろ髪引かれる思いでした。そして那覇に戻ったとたん、小さなスージグヮーがどれも海へつながっているあの島に帰りたいと思っている自分がいたのでした。
村には、美しい前浜ビーチ と並行に走る道がいくつかあり、民家を改装した民宿やダイビングショップが多くあります。冷たいビールや果物などの食品を購入できる店舗は2つしかなく、あとは沖縄そばを提供する小さな食堂が2~3か所あるだけ。民宿に宿泊するなら、夕食と朝食の2食付きを選択するのがお勧めで、地元の特産品やその日獲れた魚などを味わうことができます。
島の探索で言うと、港を過ぎてすぐのところにある阿嘉ビーチ は、多くのウミガメの住処になっています。私たちが宿泊した民宿のオーナーによると、シュノーケリングでそこへ行けば100%ウミガメが見られるとのこと。試しに行ってみると、まさに彼の言う通りでした。阿嘉ビーチは、自転車や徒歩で数分で行くことができます。
しかし、ここを訪れる人の多くは民宿のシャトルバスを使って、東の方へと島を上って行き、写真映えするニシバマビーチを訪れます。透明度は素晴らしく、ターコイズのグラデーションが見たこともないほど美しいこの浜ですが、海流が強いためライフガードが監視をしており、ビーチではアルコールが禁止されています。
ビーチを独り占めしたい!というあなたには、村のすぐ横にあるビーチに行ってみてください。アマグスク展望台への看板に沿って進み坂道を登っていくと、小さな木製の看板が下方向を指しているのが見えます。そこがヒズシビーチです。知る人ぞ知る静かなビーチにシュノーケリングにぴったりのリーフがあり、そこは全てあなたのもの。何時間もシュノーケリングをして過ごすのもいいですが、脚の後ろに日焼け止めを塗り忘れないように。日焼けで大変なことになってしまいますよ。
阿嘉島では、泳いだり、昼寝したり、ただぼーっと目の前にある世界の美しさに身を任せたりする他にすることがなく、頭の電源を切ることができる世界でも少ない場所のうちのひとつだと思います。ここにいる間だけは何も気にせず、心配事は全て忘れてしまいましょう。阿嘉島での生活はいたってシンプル。夜には民宿の屋根に上がり、冷たい泡盛を飲みながら、星が漆黒の空を少しずつ動いていくのを眺める…、数日間の滞在だとしても、その時感じる自分の存在、そして開放感をきっと忘れることはないでしょう。
ライター:エミリー・ディクソン
地図リンク: https://goo.gl/maps/jKbcPo2HeEp
ウェブサイト: https://www.jnto.go.jp/eng/regional/okinawa/kerama.html
アクセス:フェリーのみ https://www.env.go.jp/en/nature/nps/park/kerama/access/index.html
使用可能通貨:日本円のみ