良いものは小さな包みに入っている、とはよく言われます。南城市の通りの途中に思いがけず出会う、手作りチーズのいい香りが漂う小さな店舗がまさにそうです。その店舗で扱うチーズには、「Nanjozola(ナンジョーゾーラ)」、「島ラッキョウ」、「ブルーキャラウェイ」、「ファイアチーズ」、「ちゅらポルチーニ」などの名前がついており、これらはまだ一部にすぎません。毎日違う種類のチーズを1か月食べたとしても、全てを試すことはできないくらいのバラエティに富んでいます。

しかし、私は幸運にも「チーズガイ」ジョン・デイヴィスに話を聞く機会があり、多くの質問をすることができただけでなく、チーズをたらふく試食することができました。メモを取るフリをしながらなんとか書きとめた彼の話は、こんなものでした。

私はチーズに飽きたことがありません。毎日チーズを作っています!日本で質の高いチーズがなかなか手に入らないことが、私がチーズを作り始めたきっかけです。スーパーで売っている大量生産のチーズには命がない。均一化され保存料が多く使われています。私は、新鮮なクリームミルクだけでチーズを作りたかったのです。

北海道に15年間住んだ後、退職して沖縄にやってきました。北海道では牛乳の生産量が多いことからチーズ作りに適していると思う方も多いかもしれませんが、実は寒すぎるし乾燥し過ぎているのです。チーズは、暖かく湿気のある気候を好みますので、沖縄は素晴らしい土地なのです。

スーパーで買ってきたミルクを使って自宅でチーズ作りを試してみた後、南城市で牛を育てながらもチーズ作りの技術がないという農家に紹介してもらったのは嬉しいアクシデントでした。そこで私たちはパートナーになったのです。店舗は牛舎にとても近く、それだけ新鮮なミルクを使用することができます。

私が作るチーズの多くは、試行錯誤の賜物です。毎日チーズを作り、毎日新しいアイデアを試します。道のりは長く、忍耐が必要です。手順の中には何時間も待たなければならないものもあります。チーズの中には成熟するまで何か月もかかるものもあります。それでも、成熟するまで美味しく出来上がるかはわからないのです。

もちろん、新しい味を試した時には失敗もありました。最悪の失敗はある海藻とカマンベールを合わせようとしたもので、詳しい描写は省きますが、単純にうまくいかなかった。その失敗作は捨ててしまいましたが、私には学びがありました。チーズに関して言えば、おそらく陸地からのものと海からのものは混ぜない方がよい、ということです。

沖縄のチーズマーケットは比較的新しく、時にはお客様がチーズのかけらを持って来てカビが生えていると言うことがあります。それが成熟プロセスの一部であり、食べられるということを知らないのです。そんな人には「全部サービスに入ってます、追加料金は要りませんよ!」と冗談を言ってからかうのが好きなのですが。お店には本島内から外国人のお客様もたくさん来られますが、自然なチーズを手作りしてみたいという地元の方も多いですよ。

私はまたヨーグルトも作っています。(ここで彼はヨーグルトの入れ物を取り出し上下を逆さまにひっくり返しましたが、ヨーグルトは容器から落ちてきませんでした)。これが正しいヨーグルトというものです。これが、私が小さい頃に、スーパーマーケットなんかがなかった時代に食べていたヨーグルトなんです!

自宅で手作りチーズにトライしてみたい人がいたら、スーパーで買ってきた牛乳を使ってもいいでしょう。チーズの生産者になりたいと言う人がいたら、是非手助けしたいということも付け加えておきます。私が牛乳を提供することはできませんが、チーズの文化を伝え、レンネット(ミルクを凝固させる酵素)を分けてあげることはできます。もっと多くのチーズ生産者を、世界は必要としているのですから。

ウェブサイト: http://thecheeseguyinokinawa.com/
メールアドレス: thecheeseguy@icloud.com
電話番号: 090-2051-5188
住所:〒901-1205 沖縄県南城市大里字仲間1155
営業時間:午後1時~午後6時
使用可能通貨:日本円のみ

チーズガイ(チーズ男)